続々 柔道四段でも海外で強盗された話3

続々 柔道四段でも海外で強盗された話3


前回のあらすじ。


飯を奪いにきたヨガファイアの使い手ダルシムを、波動拳で(敬語の罵詈雑言)、打ち破った俺。


そんな俺には新たな敵があらわれる。
それが、キッズ強盗団である。


さぁ、Tanuuuuuukiはどうする!?

 

 

 


俺の手から飯を奪い走り去っていったキッズ達。

 

奪われたのは屋台で購入したモモ。モモとは所謂、餃子である。


(モモを奪われてしまった…しかし、きっと彼らは腹がへっているだろうし…モモくらいあげよう!!!彼らは生きる事で大変なのだから…)


と、いう気持ちは確かにあった。
しかし、本能的は違った。
全力でガキを追いかけていた。

 

「ガキ!!!まて!こらぁ!!!!」

 

世界遺産で日本人がガキに怒鳴る。恐ろしい。恥ずかしい。

 

もはや、モモが食える食えないとか関係ない。ガキに飯を取られた。というのが気に入らない!!!!奪われた物は取り返す。気分はピーチ姫(モモ)を奪われたマリオ。

 

ガキを更正せねばならぬ!!!己を正当化し追いかける。

 

ガキどもは、ぶちギレた外国人に追いかけられた事がないのだろう。わめき怯えながら逃げていく。

 

泣こうがわめこうが、大人かガキだか関係はない。

 

正義執行。

 


何人ものガキがリタイアし道端に座り込む。諦めて座り込んだガキはモモをもっていない。


モモを持ってるのは…


先頭を走り続けるアイツかぁ!!


俺の姫(モモ)返してもらうぜぇ~!!!!


し、しかし…

キッズのリーダーは諦めない。逃げることに相当手慣れていて、右へ左へと逃げていく。足もめちゃめちゃ早い…きっとあの年で、あの足の早さ…モテるぞ…あいつ。

 


いや、そんな場合じゃない!
こ、このままだと…ヤバイ!

 

 

(く、くそ!!!俺が、この俺様がガキ逃げられる?)

 


「おい!俺の飯を返せ!!」

 

 

俺の叫びは虚しく空に吸い込まれていく…
と思ったら、リーダーキッズが転んでいる。いや、転ばされている。


俺の言葉を聞いた正義感溢れる誰かが、リーダーキッズに足をかけて捕まえてくれたのだ。


「センキュー!センキュー!」


言いながら追い付く。

 

 

 

…!!!!

 


ち、違う!

 


こいつは!!!!


こいつは、俺の為に捕まえてくれたんじゃない!

 

自分がモモを食べる為に!!捕まえたんだ!!!!

 


ダ…!ダルシムめ!!!

 

 

そう、リーダーキッズに足をかけて捕まえた男は、先ほど追い払ったダルシムだったのだ。ダルシムは、転けたキッズからモモを奪い取ると容赦なく食べた。
その早業といったら、スイカを早食いする志村けんが遅く見えるほど、早い。ただひたすらに早い。

 

砂だらけのモモを食べると満足げに、


「テンキュー」


言い慣れてるのだろう、やたら発音の良い英語で去っていった。


 

 


完…

 

 

 

ps

後日…
「こんなことがあったんだよ~!」
と地元民に話したところ、驚きの事実。


発展途上国のキッズは地元マフィアに、雇われている事もあるから気をつけろよ。
と言われました。追いかけたら待ち受けてるんですか?マフィアが?

…キッズ雇うマフィアってなんだよ、怖すぎるだろ。皆さんもお気をつけて。